本記事はハリウッド版『透明人間(2020)』の感想記事です。
『透明人間(2020)』はユニバーサル・スタジオ(Universal Studio)の名作ホラー『透明人間(1933年)』のリメイク作品。とはいっても時代設定は現代でストーリーも全く別物。
王道の“静寂”+”どこにいるかわからない”も怖いですが、“静寂”+”いるのに見えない”がこんなに怖いとは・・・
鑑賞中常にビビってました笑
ネタバレなし感想の後にネタバレ感想をツラツラ書いてます!タイにて英語版を鑑賞。
洋画好きにオススメする動画配信サービス[clink url=”https://jascoco.com/vod-for-movie-lovers/”]
[rtoc_mokuji title=”” title_display=”” heading=”h4″ list_h2_type=”” list_h3_type=”” display=”” frame_design=”” animation=””]
作品情報
邦題: 透明人間 (日本公開日:2020年5月1日(金))
原題: The Invisible Man
監督:リー・ワネル
出演(キャスト):
エリザベス・モス – セシリア・カス
オリヴァー・ジャクソン=コーエン – エイドリアン・グリフィン
オルディス・ホッジ – ジェームズ・レイニア
ストーム・リード – シドニー・レイニア
ハリエット・ダイアー – エミリー・カス
マイケル・ドーマン – トム・グリフィン
あらすじ
場所は海岸沿いに立つ豪邸の寝室。科学者の夫エドリアンに苦しめられていたシシリアは夫を眠らせ脱出を試みる。手筈通り敷地から脱出し姉妹のエミリーと落ち合い車に乗り込む。脱走に気づいたエイドリアンが駆けつけ脱出を阻止しようとするが、間一髪のところで脱出に成功したシシリア。
夫から解放され友人宅で新たな生活をはじめるシシリアだったが、彼女の周囲に不可解な出来事が起こりはじめた・・・
ネタバレなし感想
1. 超怖い静寂シーン
透明人間は基本喋りません。だから対峙した時は足音や床の軋む音だけになります。(アクション映画によくある「ほら、どこを見ている。こっちだ。」みたいなことはしません。)
その静寂が緊張感をめちゃめちゃ高めます。
静寂系ホラーと言ったら『クワイエット・プレイス』などがありますが、それ以上に怖いです。なぜなら敵が画面内に“いるのに見えない”からです。(ちなみに今月公開される『クワイエット・プレイス2』も鑑賞予定です。鑑賞後感想記事アップします。)
余談ですが、実は最初のドッグフード容器が一番ビビりました笑(超油断してた)
あと脅かすときのボリュームもうちょっと下げてもいいと思う。ビビリには辛い。
2. “いるのに見えない”って恐ろしい
基本ホラー映画には安全な場所とかあるけど、この映画に関してはありません!
だって敵が見えないから!
シシリアが仲間を傷つけて落ち込んでいる時も、シャワー浴びている時も、トイレにいるときも、どんな時も画面の中にいると思うと恐ろしい。
特に昼間面接のオフィスに尋ねるシーン。明るいし人がいっぱいいるから安心と錯覚するけど、本当は画面内にいるのかもと想像するとゾッとします。
3. 最後まで気が抜けない良質ホラー映画
本作は“静寂”+”いるのに見えない”という演出が際立ってますが、ストーリーも見応え十分で本作の価値を高めていると思います。
1番の謎である死を遂げた夫の全貌もしっかり説明されますし、明らかになってからも最後どのようなオチに持っていくのかワクワクさせてくれます。
4. オリジナル作へのオマージュ
オリジナル『透明人間』は1933年と90年近く前の作品ですが、現在でも名作と呼ばれる作品です。
本作ではそのオリジナル作品へのオマージュが何点か存在します。
例えば原作とおなじくグリフィンを名乗ったり、全身包帯巻き男の登場などです。
オリジナル作品ファンの方はそう言ったところにも注目するとさらに楽しめるはず。
5. エリザベス・モスの怪演
この映画は彼女なしでは語れません。
二十四時間恐怖に怯える姿。そして、一大決心したラストシーンは鳥肌ものです。
彼女の笑顔が見れたの何回ぐらいかな?
一言感想
– 最後まで気が抜けない良質ホラー映画(オチも丁度いい)
– 静寂シーンが多い、そして恐怖をあおる
– 常に透明人間が画面内にいると思うととても怖い(でも彼の食事や生理現象を心配してしまう)
– オリジナル透明人間へのオマージュあり
– エリザベス・モスの怪演
– 最初のドックフード容器が一番ビビった
– 透明人間の家が豪華過ぎ
– ペンキを洗い流すのが鬼速
– 道ゆく車の運転手がめっちゃいい人
以下ネタバレを含みますのでご注意ください。
前の映画感想[clink url=” https://jascoco.com/i-am-mother-review/”]
ネタバレ
ネタバレあらすじ
アイドリアンの家から脱出したシシリアは、友人であるジェームズとその娘シドニーの住む家で暮らしはじめる。しかし、アイドリアンの性格を知るシシリアは、強い警戒心を抱いていた。
そんなある日、姉妹のエミリーがシシリアが訪れ、アイドリアンが自殺したと報告を受ける。後日遺産相続についてアイドリアンの兄弟トムと会うと、エイドリアンの遺産500万ドルが相続されることを伝えられる。しかし、精神不安と判断された場合は返還されるという条件つきだった。
エイドリアンの死で解放されたシシリアは、日常を取り戻し就職活動を始める。ところが、面接の場でカバンに入れておいたポートフォリオが入っていないことに気付いたシシリア。その場で倒れ込んでしまう。
病院に運ばれ医者からはジアゼパムの過剰摂取と伝えられる。ジアゼパムはトムに飲ませていたはずの薬だ。ふと家の洗面台を眺めると、エイドリアンの家を脱出した時に落としたジアゼパムの容器が置いてあった。
エイドリアンは死んでいないと確信したシシリアはジェームズを連れてトムに事情を説明するも取り入ってもらえず。
次にエミリーの元へ向かうが、シシリアのアカウントから送られた誹謗中傷メールに激怒して絶交を言い渡される。
帰宅し落ち込んでいるとシドニーが慰めてくれたが、透明人間がシドニーを殴りシシリアは濡れ衣を着せられジェームズ親子は家から出て行ってしまった。
頼れる人を失ったシシリアは、家に手がかりがないか捜索する。すると屋根裏からエイドリアンの携帯を発見する。そして携帯には”Surprise”のメッセージ。物音が聞こえ屋根裏から降りようとした瞬間、シシリアはペンキを投げつけ透明人間の存在があらわになった。
素早くペンキを洗い流した透明人間は、見えないところからシシリアを襲い続けた。隙を見て外に逃げ出したシシリアは道ゆく車に乗せてもらい、透明人間の秘密を探りにエイドリアンの家へ向かう。そこの実験施設から特殊なスーツを入手し、クローゼットに隠すシシリア。追跡してきた透明人間を何とか振り切りエミリーとレストランで会う約束をする。
レストランで再開した二人。絶交関係であったがエミリーも関係修復に前向きで一安心のシシリア。しかし、エイドリアンの開発した特殊スーツについて話した瞬間、ナイフが宙に浮きエミリーの喉元を切り裂いた。ナイフはシシリアの手の中。それを見た他の客が殺人だと騒ぎ殺人犯としてシシリアは逮捕されてしまう。
精神病院に連れてかれたセシリアはそこで妊娠していると知らされる。ショックを隠せないシシリアのもとにトムが面会に現れ、遺産相続の件は殺人・精神異常の疑いがあるため中断していると伝えられる。エイドリアンが生きていることを確信しているシシリアはトムを問い詰める。すると、トムはエイドリアンの協力者であることを告げる。そして、エイドリアンと寄りを戻し子供を育てれば助けてやると提案してきた。しかし、シシリアは提案を拒否。隙を見てトムのペンを盗んだ。
独房に戻ったシシリアは盗んだペンを腕に刺し自殺を図る。すると透明人間が現れ自殺を阻止してきた。シシリアはペンを透明人間に刺し反撃する。すると透明人間の着ている特殊スーツに不具合が生じ、一瞬ではあるが視認できるようになった。独房で暴れるセシリアに気付いた看守が入ってくるも透明人間にやられてしまう。その後続々と現れる看守たちをことごとく返り討ちにする透明人間。
身篭っているセシリアを殺すことができない透明人間は、標的をシドニーに変更しジェームズ宅へ向かう。
ジェームズ宅で寝ていたシドニーに透明人間が襲いかかる。ジェームズが助けにくるも見えない敵に一方的にやられてしまう。そこにシシリアが駆けつけ銃で数発打ち込み透明人間を仕留める。マスクを脱がすとその正体はトムであった。
その後、警察部隊がエイドリアン宅に押しかけると拘束されたエイドリアンが見つかる。全てトムの犯行だと訴えシシリアの罪も晴れたが、彼女だけはエイドリアンの言葉を信用しなかった。
シシリアはエイドリアンの犯行と訴えるも誰にも取り繕ってもらえず。そして彼女は意を決してエイドリアンと会う約束をする。
エイドリアン宅で再開した二人。復縁を持ちかけるエイドリアンに対してシシリアは真実を話すように持ちかける。外にはジェームズが会話の内容を盗聴している。
しかし、なかなか口をわらないエイドリアンに涙するシシリアは洗面所に行くと告げその場を離れる。その後、エイドリアンは自らナイフで首を切り裂いてしまう。異変に気付いたシシリアは泣きながら駆け寄り救急車を手配。しかし、すぐさま後退り監視カメラの死角入ると冷徹な顔で一言「Surprise」と言い放つ。エイドリアンは彼女を見つめたまま絶命した。
外で監視していたジェームズが駆けつけシシリアに何があったと問いただす。彼女は「監視カメラに写っているものが全て」と伝える。ジェームズは彼女のカバンに特殊スーツが入っていることを確認するもそれ以上何も言わなかった。
エイドリアン宅を背にシシリアは静かにほくそ笑む。
ネタバレ感想
エイドリアンは生きておりトムが共犯者だった。そして、最後はシシリアの手でエイドリアンを自殺に見せかけて始末。
あの登場人物の中ではトムが一番怪しかったけどその通りでしたね。これでジェームズが共犯だったらビックリだけど、ガッカリ増しの方が大きいので個人的には丁度いい共犯者だと思います。
そしてラストは、シシリア自らが透明人間となりエイドリアンを自殺に見せかけ始末。ハイライトは監視カメラの死角に入った瞬間のシシリアの顔。恐ろしすぎる。
最初にエイドリアン宅に侵入したとき。なぜ特殊スーツをクローゼットに隠したのかと思っていたけど、あのとき彼女はこの結末を想定していたんでしょうね。おそらくエイドリアンが罪を認めて法で裁かれることを望んでいたけど、それは叶わず。止むを得ず殺した。
それでも、あの死角に入った瞬間の顔がひっかかる。最初から殺すつもりの顔でしたよね笑
本作は冒頭の”静寂”脱走シーンからハラハラさせられ、それ以降は”静寂”+”いるのに見えない”敵にハラハラさせられ、そしてラストのオチにもハラハラさせられ。
演出とストーリーで常にハラハラさせられた良作ホラーだと思います!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
洋画好きにオススメする動画配信サービス[clink url=”https://jascoco.com/vod-for-movie-lovers/”]
前の映画感想[clink url=” https://jascoco.com/i-am-mother-review/”]
コメント