M・ナイト・シャマラン監督の2001年公開の『アンブレイカブル』から始まったシャマランユニバースの最終章『ミスター・ガラス』
前作『スプリット』の驚愕のラストから2年。遂に完結します。
本記事では、過去作品を知らない人でも『ミスター・ガラス』を楽しめるための豆知識をまとめています。
参考にしていただけると幸いです。
当記事に『ミスター・グラス』のネタバレはありませんが、過去作品『アンブレイカブル』と『スプリット』に関するネタバレ要素も含まれますのでご注意ください。
目次
1. 前作までのあらすじ
2. 各キャラクターの特殊能力・弱点
3. M・ナイト・シャマラン監督の傾向
4. シリーズの構想
本作のネタバレなしの感想記事はこちら
1.前作までのあらすじ
長くなってしまったので超簡潔版と簡潔版の二つ用意したので好きな方をどうぞ。
超簡潔版(超ざっくり知りたい人用)
第一作目『アンブレイカブル』
乗客131名が死亡した列車事故で唯一の生き残りであるアンブレイカブル(壊れない)な男デヴィッド(ブルース)と直ぐに骨折してしまう男イライジャ(サミュエル・L・ジャクソン)が出会う。
イライジャに感化されたデヴィッドは自身の能力に気づき、発覚前の少女監禁事件を解決。イライジャは彼こそが求めていたヒーローだと喜ぶが、皮肉にもデヴィッドの能力でイライジャがヒーローを探すために列車事故を含む多くの事件の犯人であることがわかる。イライジャは逮捕、精神病院へ入れられる。
第二作目『スピリット』
1多重人格者のケビン(ジェームズ・マカヴォイ)が少女誘拐事件を起こし、不道徳な少女たちを生贄としビーストという24人目の人格を目覚めさせようとする。
誘拐された3人は必死に抵抗したが、二人はビーストの生贄となってしまう。残ったケーシー(アニャ・テイラー=ジョイ)だったが、叔父による日常的な虐待を受けていたことがわかるとビーストはその場から消えてしまった。
シーンは変わりとあるレストランでケビンのニュースを見ていた女性が、過去にも車椅子の犯罪者による似たような事件があったと言及し、名前を思い出そうとしていると、隣にいたデヴィッド(ブルース・ウィルス)が「Mr.ガラス」だと教えた。
簡潔版(もう少し知りたい人用)
第一作目『アンブレイカブル』
デヴィッド(ブルース・ウィルス)は乗客131名が死亡した列車事故で唯一の生き残り、しかも無傷。そのデイヴィッドに興味を示したのが簡単に骨折してしまう骨形成不全症のイライジャ(サミュエル・L・ジャクソン)。イライジャはこの世に自身と正反対の人間おりその人物はヒーローになるべきだと考えていた。
そのことを伝えられ最初は信じていなかったデヴィッドだったが、過去に一度も怪我や病気をしたことがなかったこともあり自分自身を疑い始める。この出会いをきっかけに危険人物を察知する能力や人間離れした筋力を自覚し、事件すら発覚してない少女監禁事件を解決した。マスコミは謎のヒーローの登場を大々的に取り上げた。
デヴィッドは自身の能力に気づかせてくれたイライジャに感謝を伝える時、彼に触れイライジャがヒーローを探し出すために列車事故を含む数々の事件を仕組んでいたことを知ってしまった。その後、デヴィッドは警察に通報しイライジャは逮捕され精神病院へ入れられる。
第二作目『スピリット』
叔父から性的虐待を受けていた女子高生のケーシー・クック(アニャ・テイラー=ジョイ)は、二人の友人と共に突然誘拐される。
誘拐犯のケビン(ジェームズ・マカヴォイ)は精神病院に通う23の人格を多重人格者だった。担当医のフレッチャー博士(ベティ・バックリー)によると幼少期に母親から虐待を受けたことによって多重人格になってしまった。博士はケビンのよき理解者であり他の人格たちからも信頼を得ている。
監禁された3人はケビンが多重人格であることに気づき、それを利用して脱出を試みるもことごとくケビンたちに阻止される。友人の二人は脱出に失敗し別の部屋に隔離され、一人になってしまったケーシー。ケビンたちからこれから24番目の人格「ビースト」が現れ、不道徳なお前たちは生贄になると伝えられる。
最近のケビンの行動を不信に思ったフレッチャー博士は、ケビンの家に訪れると誘拐された女子高生を発見する。だが、ケビンに催眠ガスを吸わされ気を失ってしまう。ケビンが外出した隙にケビンの本名「ケビン・ウェンデル・クラム」を書き残すが、ビーストとなって戻ってきたケビンに殺されてしまう。
一方のケーシーは監禁部屋から脱出することに成功するが、ビーストに見つかってしまう。机の上にあったフレッチャー博士の書き残したケビンの本名を叫ぶとケビン本来の人格が現れる。ケビンは自分を殺すようケーシーに促すが、すぐにビーストが現れ追い詰められるケーシー。しかし、ケビンがケーシーの身体中にある虐待で受けた傷を観ると「お前は他とは違う」と言ってどこかへ消えてしまった。その後ケーシーは無事救助された。
シーンは変わりとあるレストランでケビンのニュースを見ていた女性が、過去にも車椅子の犯罪者による似たような事件があったと言及し、名前を思い出そうとしていると、隣にいたデヴィッド(ブルース・ウィルス)が「Mr.ガラス」だと教えた。
2. 各キャラクターの特殊能力・弱点
本作の主役3人は超人的な能力を持つかわりに弱点も持っています。それぞれの能力・弱点ざっくりと説明。
デヴィッド・ダン

Photo : IMDb
能力:壊れない体(アンブレイカブル)、悪人に触れると悪事のビジョンが見れる
弱点:水(雨は大丈夫だが水の中に入ると力が発揮できない(もしや悪魔の実を!?))
ケビン・ウェンデル・クラム

Photo : IMDb
能力:24人の人格を持ち、人格と共に体型や体質まで変化する(特にビーストはその名のとおり獣ような怪力を持ってます)
弱点:本名を呼ばれることで、本来の人格ケビンが現れる。また『ミスター・グラス』で新たな弱点も明らかになるようです。
イライジャ・プライス(ミスター・ガラス)

Photo : IMDb
能力:非凡なIQを持つ天才
弱点:生涯で94回も骨折した骨形成不全症(些細なことで骨が折れる)
3. M・ナイト・シャマラン監督について

Photo : IMDb
M・ナイト・シャマラン監督は映画の最後にドンデン返し(Twist)を持ってくる監督として有名。
その名を世界に知らしめたのが本作にも出演しているブルース・ウィルス主演の『シックス・センス』。多くの鑑賞者がラストのドンデン返しに驚愕し日本でも大ヒットした作品です。
その後も『サイン』、『アンブレイカブル』などドンデン返しが効いたミステリー、スリラー作品を多く世に送り出しています。今ではドンデン返しが定番化してしまいドンデン返しの内容がショボイと叩かれるまでになってしまいました笑 そういう監督なのでどんなオチが待っているのか予想しながら観ると面白いと思います。
ちなみにミステリー、スリラー以外の作品も監督してますが、不思議なことに『エアベンダー』や『アフターアース』など見事にコケます。特に『エアベンダー』はヒドかった笑
たまに大コケすることもあるけど、コアな映画ファンからは支持されている監督さんです。当ブログ管理人もその一人で彼の作品には毎回期待させられてます。
また自身の作品に俳優として出演することも多く、前作『スプリット』では登場してました。本作ではいかに・・・
4. シリーズの構想
M・ナイト・シャマラン監督はインタビューで『アンブレイカブル』と『スピリット』は元々一つの映画だったと語っており、ケビン側の話を『アンブレイカブル』の劇中で同時進行で描く予定だったようです。しかしそれだとケビンを描ききれないため、ケビンを『アンブレイカブル』から外し別作品として描かれます。
しかし続編は『アンブレイカブル』の興行成績がよくなかったことからすぐに制作されず、15年の歳月を費やしました。
そして完成したのが『スピリット』なのですが、公開当時は『アンブレイカブル』の続編とは全く宣伝されず、多くの鑑賞者がラストのデヴィッド・ダン(ブルース・ウィルス)の登場で「これ『アンブレイカブル』の続編なのか!?」と度肝を抜かれました。
このアプローチはとても斬新で面白かったです。
さいごに
『アンブレカブル』 = ヒーロー誕生譚
『スプリット』 = ヴィラン誕生譚
『ミスター・ガラス』 = ヒーローとヴィランの対決
三部作の最終章となる本作。タイトルにもなっているミスター・グラスは果たしてヒーローとヴィランどちらの味方なのか。そしてヒーローとヴィランの誕生を描いた過去二作品の集大成としてどんな結末が待っているのか。
非常に楽しみな作品ですね!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
本作のネタバレなしの感想記事はこちら
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